KNOWLEDGE

産業用無線リモコンの性能を保護する:電波干渉の影響と対策

電波干渉とは??影響と原因、当社で取り扱っているテレ・ラジオ製無線リモコンの対策について解説します。

電波干渉の主な影響

電波干渉とは、複数の電波が重なり合い、その結果、電波同士が干渉する事で、無線機器等に悪影響を及す現象です。

電波干渉は、無線LANやBluetooth、ラジコンなどの無線通信、テレビ、ラジオなどの放送、携帯電話や 衛星通信など、あらゆる無線機器等で発生し、通信の安定を阻害します。

通信の品質低下

電波干渉が発生すると、無線通信の品質が低下します。データ転送のエラー率の増加により効率性も低下します。 この現象は特に都市地域や多くの無線機器が使用されている環境でより顕著になります。

通信速度の遅延

電波干渉によるデータ伝送速度の低下は、無線機器のパフォーマンスに直接的な影響を及ぼします。 例えば、産業用無線リモコンにおいては、 スイッチを押してからの各機器の動作にタイムラグが生じる可能性があります。

機器の誤動作

電波干渉により、機器の誤動作を巻き起こす可能性があります。高度な精度が要求される機器は、干渉により誤ったデータが表示されたり、 場合によっては、完全に電波が遮断され通信ができなくなる可能性があります。

例えば、産業用無線リモコンを例にあげると、2.4GHz帯では通信可能距離は、 50~100m程度が一般的ですが、干渉により送受信距離が短くなる事、 受信機からのフィードバックが上手くできない可能性や、 場合によってはある距離から送信が完全に遮断する可能性があります。

電波干渉の原因

電波干渉の原因については、主に以下の原因が挙げられます。

同周波数帯域を使用する電波同士が近づいて使用されている

同周波数帯域を使用する電波同士は、干渉しやすい傾向にあります。

例:Wi-Fiの周波数帯である、2.4GHz帯は、 電子レンジやBluetooth、無線機器など多くの機器で使用されている為、電波干渉が起こりやすい傾向にあります。

機器の設置場所や電波の向きが適切でない場合

無線リモコンにおいては、受信機の設置場所や、アンテナの向きや位置が正しくない場合、 電波が効率的に伝播されない為、電波干渉が発生する可能性が高くなります。

電波反射による電波干渉

電波は、壁や金属に反射する性質があります。反射によって、 本来の方向とは違う方向に電波が進んでいったり、複数の角度からタイミングをずらして電波が侵入し、 その際に反射の影響により、自らの電波に干渉する可能性があります。

電波干渉の対策

産業用無線リモコンの電波干渉対策は、以下の様な対策が挙げられます。 また、テレ・ラジオ製産業用無線リモコンの電波干渉対策についてもご説明致します。

電波が反射しにくい場所に機器を設置する

電波は、壁や金属などの物体に反射、透過する性質があります。 その為、産業用無線リモコン用の受信機を設置する際は、電波が反射しにくい場所を選ぶことが重要です。

例えば、壁や金属などの物体から離れた位置での設置や、 遮蔽物を置かないなどの対策が必要です。また、アンテナの取付方向、取付位置も重要となります。

スペクトラム拡散方式

スペクトラム拡散方式とはデジタル無線機器が通信する際の信号伝達方式のひとつです。 スペクトラム拡散方式の中にも更に二つに大別され、 直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)と、周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)があります。

テレ・ラジオの2.4GHz帯使用機器は、DSSS方式を採用しています。 これは、通信に使用する周波数の中心(例えば2405MHz)を基点として、 その前後の周波数帯域にまで信号を拡散させる方式です。DSSSの利点は大きく3つ挙げられます。

干渉耐性
より広い周波数範囲に拡散することで特定の周波数に集中する干渉を避けることができます
信号の堅牢性
干渉やノイズによる影響を受けにくくなり、より信頼性の高い通信が可能になります
セキュリティの向上
信号が拡散されているため、傍受や解析が困難になります

DSSSの特徴のひとつにセキュリティ性と干渉耐性があげられます。 送信時には周辺帯域に信号を拡散し、それを読み込む際には独自の拡散コードをもって信号を 復元する仕組みであるため、拡散コードを知らない第三者に傍受されるリスクを大幅に低減します。これにより 傍受など第三者による意図的な干渉から護りつつ、同時に意図しない機器との干渉からも護ることができます。

もう一つの方式である周波数ホッピング(FHSS)は、周波数を一定間隔で切り替えることで干渉を防ぎます。 DSSSのような独自のセキュリティコードは使用せず、ホッピング周期を独自に設定することで傍受・干渉を防ぐ 仕組みです。DSSSとFHSSのどちらが優秀かは一概に判断できませんが、 テレ・ラジオの2.4GHz製品は上述のセキュリティ性能などを考慮してDSSSを採用しています。

テレ・ラジオ製産業用無線リモコン電波干渉対策について

テレ・ラジオの製品は上述したスペクトラム拡散方式を基盤としつつ、送受信機のペアリング時には 両者のプロトコルを一致させる作業を自動的に実行します。この作業により、送受信機間のコミュニケーションは 周波数+プロトコル(テレ・ラジオ独自の通信言語)を用いるため、仮に全く同じ周波数の無線機器が周囲で 稼働していても、受信機はペアリングされた送信機だけを見分けることができます。プロトコルの一致しない通信は たとえ周波数が完全一致していたとして受信できませんので、干渉による”誤作動”は起こらない仕組みとなります。

まとめ

今回は、電波干渉について解説しました。産業用無線リモコンをご検討の際は、 是非、当社にお問い合わせください。

お問い合わせ

株式会社マツイは、油圧機械・自動車関連機械をはじめとした機械の専門商社です。製品に関するお問い合わせ、御見積のご依頼や、お客様の抱える課題に関するご相談は下記からお気軽にご連絡ください。

関連製品情報