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水中ドローンDTG3ってどんな機種?

水中ドローンとは?

潜航が可能な有線式の小型無人潜水機の通称です

一般社団法人日本水中ドローン協会HPより引用

ROV(Remote Operating Vehicle)とも呼ばれます。

Deep Trekker社を代表する水中ドローン『DTG3』について紹介します

昨今、世界中で様々な水中ドローンのメーカーが新たな機種をリリースしていますが、 DTG3は独特なフォルムとユニークな動きで、それらに先駆けて潜水調査や養殖場管理に活用されてきました。 今回のコラムではDTG3の主な特長について解説します。

独特で俊敏な動き

オリジナリティ溢れる丸いフォルム、その独特な形状を活かしたユニークな動き方がDTG3の大きな特長です。
一般的な水中ドローンには複数個、多いもので6~8個程度のスラスター(プロペラ)が付いています。
水平移動用に4個、垂直上下移動用に2個、といった具合です。
ところが、DTG3には左右に2個のスラスターがあるだけです。
水平移動はスラスター2個で問題ありません。では、垂直移動はどうしているのでしょうか。

  • DTG3
  • DTG3

DTG3はコントローラのスティック操作で、その場に留まりながら本体の重心を変えることができます。 本体の向きだけを上下方向に切り替えることができるのです。

DTG3

スティック
操作で

DTG3

DTG3を上に向けたまま前進させれば、そのまま浮上します。
潜水するときは本体を下に向ければ、同様です。
これらの動きは全てコントローラの2本のスティック操作のみで行えます。
レスポンスも早く、すべての動作を滑らかに、直感的に動かせるのがDTG3の動きです。

また、各スラスターはマグネットカップリングでしっかりシールされているため、水没の危険性は極めて低い構造になっています。
最高速度は2.5ノット。水深60mにも数十秒で辿り着くスピードです。
DTG3の動きはマツイYoutubeチャンネルにも掲載していますので、是非そちらもご覧ください! 

ポータビリティ

DTG3は基本的にROV本体、ケーブル、コントローラで構成されます。

  • DTG3

ROV本体、コントローラにはそれぞれリチウムイオンバッテリーが搭載されているため、電源を入れればすぐに使用可能です。
バッテリーを満充電にしておけば、おおよそ6~8時間程度は使用可能です(使用状況に依ります)。

これらに加え、充電器や工具、様々なオプションを含め、すべてが専用のペリカンケースに収納されています(一部のオプションのみ別梱包となります)。
非常に頑丈で、スーツケースの様にキャスターが付いているため、持ち運びも容易です。
簡単に持ち運び、すぐに使えるポータビリティ、これもDTG3の大きな特長です。

  • DTG3
  • DTG3

多彩なオプション

DTG3は水中での撮影だけでなく、多彩なオプション機器によって、様々な状況で活用が可能です。
ひとつひとつの機器については別コラムで紹介していきますが、特に人気の高い一部をご紹介いたします。

マニピュレーター

DTG3下部に取り付けるロボットアームです。 開閉・回転の2機能を持ち、水中で対象物を掴むためのグラバーです。

アタッチメントは自由に交換可能です。
調査項目や使用状況によって様々な形状のものが用意されていますので、 ご用途を教えて頂ければ適切なものを選定いたします。

  • DTG3 マニピュレータ
  • DTG3
  • DTG3 大型クロー

    大型クロー

  • DTG3 水中カッター

    水中カッター

  • DTG3 水サンプラー

    水サンプラー

  • DTG3 堆積物サンプラー

    堆積物サンプラー

  • DTG3 キャリパー

    キャリパー

ネットリペア

ROVで養殖生簀を目視点検する事例は増えています。
では、養殖生簀に穴が開いていたらどうしますか!? 大事な魚が逃げ出してしまう。
でも急には修繕できない・・・!
そんな時にネットリペアです。
マニピュレーターの開閉機能を使用し、ネットパッチを破れた部分に取り付けることで、応急的に修復が可能です。フックで取り付けた後はDTG3から分離します。
いざという時のため、日頃から備えておきませんか。

  • DTG3 ネットリペア
  • DTG3 ネットリペア

USBLナビシステム

広いフィールド、特に目印のない海では、ROVがどこを走っているのか、どこを撮影しているのかが分かりにくくなります。
ナビシステムを取り付けることで、Google Map上に、現在のROVの位置を表示することが可能です。 さらに、撮影した動画・写真と位置情報を結び付けたり、ROVが走った軌跡を地図データとともに保存することが可能です。

通常GPSなどの電波は水中に届きません。
コントローラから水中に音波を発信するビーコンを投入します。
ROVにもビーコンを取り付けることで、コントローラとROVの位置がわかるため、 相対的に地図上のROV位置が分かります。

  • DTG3 USBLナビシステム
  • DTG3 USBLナビシステム
  • DTG3 USBLナビシステム
  • DTG3 USBLナビシステム

これらは多数のオプション機器のほんの一部です。 今後のコラムでは、特長の詳細、他のオプション機器の紹介などを行っていきます。

執筆者

芝原 英行

東京海洋大学院卒。学生時代はウナギの完全養殖の研究に従事。
(株)マツイ入社後、2年目におさかなマイスターを取得。称号の重圧に日々プレッシャーを感じている。

カキ、サバ、ウナギ、マグロ、チョウザメ等、様々な魚介類の養殖設備・実験水槽等に携わり、趣味はダイビング・アクアリウムと魚漬けの日々を送っている。

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