底設型流動測定⽤⽯膏半球は,⽔域における底層での流動, 特に波浪の影響が強い岩礁浅海域での波動流を簡便に測定するために 独⽴⾏政法⼈⽔産総合研究センター 川俣 茂博⼠(Kawamata 2001;川俣 2001)が 開発した海底設置型の⽯膏半球を商品化したものです。
独⽴⾏政法⼈⽔産総合研究センター 特許第4171799号
概要
⽯膏を⽤いた流速測定は古くから⾏われてきましたが,波浪の影響を強く受ける岩礁では 通常の⽯膏硬化体では溶解が速すぎて短期間の測定しかできず,利⽤に⽀障がありました。 また,波の場では⽯膏硬化体の溶解速度が潮流などの定常的な流れの場での速度と異なることや, 時間的に複雑に変化する波動流の定量的評価⼿法が明⽰されていないことも問題でした。
底設型流動測定⽤⽯膏半球は,⽐較的⻑期間の波動流の定量的測定を可能にするために開発された⽯膏半球です。 ⽯膏の結晶系に分散したメラミン樹脂を微量に含ませること等の⼯夫により, 難溶性の⾮常に⾼い⽯膏硬化体を作ることに成功しました。
主成分は従来の⽯膏と同様に海⽔の成分であるCaSO4ですので,無害であり,安⼼してお使いいただけます。
特長
- 安価で簡便な⽯膏による流速測定法の特⻑を活かしつつ,⽐較的⻑期間の流速測定が可能です。
- 徹底した品質管理により精度の⾼い流速測定を⾏うことができます。
- 波動流速(絶対流速,rms流速,rms流速振幅,有義流速振幅)の時間平均を推定することができます。
設置例

石膏半球の固定は、アンカーボルトを仕様する方法、おもりを利用する方法等があります。
詳細は資料にまとめましたので、是非ダウンロードしてご確認ください。
仕様
- ⽯膏半球
- 直径80 mm (型式PH80),乾燥重量200.8±1.6g
- ⽯膏半球取付板
- 120×120×10 mm硬質塩化ビニル樹脂製板(径9mm取付孔付)
- 流速推定誤差
- 2 cm/s以下(検定式適⽤保証⽔温:5〜17℃)
外観図

径80mm(PH80)の場合
測定可能期間の⽬安
⽯膏硬化体残質量5g到達予測⽇数(PH80使⽤時)注1)
有義波⾼注2) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.5m | 1.0m | 1.5m | 2.0m | 2.5m | 3.0m | 4.0m | ||
水深 | 1m | 12.3 | 6.1 | - | - | - | - | - |
2m | 16.8 | 8.4 | 5.6 | 4.2 | - | - | - | |
3m | 21.3 | 10.7 | 7.1 | 5.3 | 4.3 | 3.6 | - | |
4m | 24.8 | 12.3 | 8.2 | 6.2 | 4.9 | 4.1 | 3.1 | |
5m | 28.3 | 14.1 | 9.4 | 7.1 | 5.7 | 4.7 | 3.5 | |
7m | 35.6 | 17.7 | 11.8 | 8.9 | 7.1 | 5.9 | 4.4 | |
10m | 46.3 | 23.2 | 15.4 | 11.6 | 9.3 | 7.7 | 5.8 |
- レイリー分布波⾼,有義波周期8秒を仮定して推算される底⾯でのrms流速より予測した値を⽰しています。 検定式の適⽤範囲より⾼い⽔温(17℃以上)では,⽇数はより短くなります。
- その⽔深における波⾼値です。沖波波⾼ではありません。
- 監修
-
独⽴⾏政法⼈⽔産総合研究センター
⽔産⼯学研究所川俣 茂 博士
資料請求

お問い合わせ
製品の仕様について、価格・お見積り・納期についてのご確認や、導入検討のためのご相談、デモのご依頼など、お気軽にお問合せください。