穴があったら塞ぎたい!加工穴を塞ぐシールプラグ
モノづくりの工程で様々発生する加工穴。その中には最終的に穴を塞がなければならない工程があると思います。 そんな時、皆様はどのような方法で塞いでいます(シールしています)か?
目次
加工穴を塞ぐ方法
自動車部品・油圧製品など、設計上生じる加工穴を塞ぐ(シール)する方法として皆さん真っ先に思いつくのが、ねじやボールではないでしょうか?
また、それらの部品に接着剤やシールテープを組み合わせてシールする場合もありますね。 油や冷却水を漏れないようにする、このシール工程。新たなシール専用部品があるんです。

ねじではないシール専用部品
当社で取り扱う「SFC KOENIGエキスパンダープラグ」は、ねじではありません。
従いまして、シールする母材側にねじ穴(タップ)加工する必要がなく、工作機械のドリルの切り穴にそのまま取り付けることが可能です。
塑性変形により漏れを防ぐシール専用部品
エキスパンダープラグはシールテープも接着剤も不要です。
その独特の取付方法により、プラグと母材の加工穴を直接密着することで漏れを防ぎます。
+0.1mmの広い穴公差のシール専用部品
エキスパンダープラグを取り付ける際の加工穴公差は、なんと0+0.1mm(+0.12mm)と広いんです。
ボールのみでシールする場合はこんな広い公差では脱落してしまいますね。一桁も余裕を持った設計が可能なんです。
圧入によるシール方法
エキスパンダープラグには2つの取付方法が異なるタイプがあります。
まずは、ボール圧入によりスリーブと呼ばれるゲージ(かご)を押し広げてシールするタイプ(打ち込みタイプ)を紹介します。

必要な加工は下穴加工
この打ち込み式MBシリーズプラグは、シールする穴に対してプラグを取り付けるための下穴加工が必要です。
下図でいうd2のスペースを指します。このd2はプラグ径d1に対して0+0.1mmの公差が目安です。

ボールをまっすぐに圧入するだけ
サイズ毎に取付にあたって、ボール圧入のストローク値(打ち込み量)が規定されています。
下図でいうS値を指します。治具を使ってボールをこの押し込み量まっすぐに圧入します。

リベット取付要領によるシール方法
次に紹介するのがリベット(締結部品)を取り付ける要領でシールするタイプ(引き抜きタイプ)です。

追加工は一切不要
この引き抜き式SKならびにLKシリーズプラグは、専用取付ツールを使用してワンタッチ装着が可能です。 取り付ける母材の穴側にはタップ加工や下穴加工は一切不要。加工穴そのままのサイズで構いません、 下図でいうd3の母材側の穴はプラグ径d1に対して0+0.12mmの公差が目安です。

専用ツールで簡単に・一定に装着
ExToolと呼ばれる専用ツールにプラグを1本ずつ取り付け、シールする穴にセットしトリガーを引くだけで装着完了。 トルク調整なども不要のため、だれでも一定の品質で取り付けることができます。 油空圧式なのでプラグをセットする確度は自由自在。下向きになってもプラグは脱落しません。

まとめ
高級時計をはじめとする精密機械加工が伝統的に地場産業として発達してきたスイスで生まれたエキスパンダープラグ。
当社は50年の取り扱いの歴史があり、様々なアプリケーションに対する提案や皆様のシールに対する課題解決に取り組んできております。
皆様のシール工程改善をお手伝いさせていただきます。
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