油圧とは?原理・仕組みの基本を解説
油圧の知識(第1回)株式会社マツイでは、様々な油圧機器を取り扱っています。
こちらの記事では、油圧の基本を解説していきたいと思います。
目次
1. 油圧とは
2. 油圧のしくみ
パスカルの原理
油圧とエネルギー
空圧・水圧との違いと油圧のメリット
3. アプリケーション
4. マツイの取扱製品
油圧とは
油圧とは、油にかける圧力のことです。
油圧機器は、この油圧を利用して様々な仕事をしています。
一例ですが、工事現場のショベルカーやクレーン、農作業に使用するトラクターなどにも油圧機器が使用されています。
油圧のしくみ
パスカルの原理
油圧の基本原理はパスカルの原理です。
パスカルの原理とは、「密閉された容器の中で静止した流体の一部に圧力を加えると、その圧力は流体のすべての部分に等しく伝わる」ということです。
単位面積当たりの圧力を流体の全ての部分に同じ大きさで、面に対しては垂直に伝えます。
この原理を利用すると、図のようにAのおもり1個でBのおもり4個を支える力を発生させることができます。
力=受圧面積×圧力になります。
油などの流体を介すことで、小さなエネルギーを大きなエネルギーに変換することができるということですね。

油圧とエネルギー
具体的な使用方法を通して、油圧とエネルギーについて考えてみましょう。

- まずエンジン等の動力で油圧ポンプに回転力を与えます(運動エネルギー)。
- 油圧ポンプは吐出する油に圧力(流体エネルギー)を発生させます。
- 加圧された油は油圧バルブで圧力、流量、方向を制御し、油圧アクチュエータに伝達されます。
- 伝達された油は油圧アクチュエータで実際の仕事に変換します(運動エネルギー)。
例えば油圧シリンダーなら直線運動を、油圧モータなら回転運動を行います。
このように、油圧機器を使用することで、小さな運動エネルギーを流体エネルギーを介すことで増幅させ、大きな運動エネルギーを得ることができます。
空圧・水圧との違いと油圧のメリット
油圧のしくみについて解説しましたが、同様のしくみとして、空圧や水圧機器があります。
使用される流体が異なりますが、油圧と原理は同じです。
ただし、環境による状態変化が大きかったり、装置がさびやすいというデメリットもあります。
油圧は簡単に高圧化することができるため、大きなエネルギーを得たい場合は特に油圧が選択されることが多いです。
油圧のメリット
- 高圧化が容易
- 温度による粘度変化が少なく、使用温度範囲が広い
- 防錆性・耐摩耗性◎
油圧のデメリット
- 油漏れによる環境汚染
- 油が危険物のため、厳重な管理が必要
アプリケーション
実際に油圧がどんなところに使われているか、油圧ショベルを例にとってみてみましょう。
1台の油圧ショベルでも、こんなにたくさんの油圧機器が使われています。

マツイの取扱製品
マツイでは様々な油圧機器を取り扱っています。
導入のお手伝いはもちろん、レトロフィット・省エネ化についても油圧機器のプロがご対応させていただきます。
ぜひご相談ください!
執筆者

八十原 貴宏
大阪支店 営業部
油圧装置調整技能士1級
当ページについて