きれいな水を維持しよう!物理ろ過の基本
おさかなマイスターの養殖講座(第5回)物理ろ過とは
生き物を飼育していると、目に見えるゴミ(エサの食べ残し、排泄物)、 目に見えないゴミ(粘膜、尿、分泌物など)が水中に出てきます。 そのまま放っておくと、飼育環境を著しく悪化させます。 これをきれいにするための仕組みが物理ろ過です。
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/basic_filtration-101.png)
物理ろ過に用いられる資材・機器について
どんなゴミを取りたいのか。その目的によって、使用する機器は様々です。 ここでは物理ろ過に用いられる様々な道具について、代表的なものを紹介します。
フィルター
ウールマット
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/basic_filtration-01.jpg)
アクアリウム 実験水槽 養殖・栽培
特長
アクアリウムでは上面フィルターに、養殖場では荒ゴミの除去にと、 幅広い分野で使用されています。ウール製のマットにゴミを捕捉し、 頻繁に交換することでゴミを水槽系外に排出します。 安価なので、ケチらずどんどん交換しましょう。ろ過槽内で放置すると、 ボロボロになって余計なゴミを生み出します。
バッグフィルター
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/bagfilter-01.png)
アクアリウム 実験水槽 養殖・栽培
特長
バッグタイプのため大流量で低圧力を実現、 洗浄して繰り返し使用可能なのでろ過ライフが長く、コスト削減に繋がります。 また交換が容易で、作業時間が短縮できます。
マツイバイオフィルター
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/biofilter-01.jpg)
アクアリウム 実験水槽 養殖・栽培
特長
軽量で消耗のしにくいマット状のろ材です。 一般的にろ材は使用と共に潰れたり、崩れたりしますが、 このろ材は長期形状保持機能を持っており潰れにくく、 定期的に洗って繰り返し使用することが出来ます。 また軽量の為、作業負担が軽減されますのでメンテナンス性に優れます。
カートリッジフィルター
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/cartridge_filter-01.png)
アクアリウム 実験水槽 養殖・栽培
特長
一般的なゴミ取りようの糸巻きタイプから、純水製造や食品関係用で使用されるメルトブロータイプ・不織布プリーツタイプ、 溶存物質の吸着用の活性炭タイプなど、様々な種類があります。 専用のカートリッジに収容し、配管系統や装置の中に組み込むことで、高精度なろ過を行うことが可能です。
泡沫分離装置
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/5eb7774394019be35f76c6b2166e6d755151c1d2.png)
アクアリウム 実験水槽 養殖・栽培
特長
水中には目に見える汚れだけでなく、水に溶け込んでいる汚れがあります。そういった微細な汚れを、気体と液体の境界面に汚れが吸着する性質を利用し、泡の力で汚れを吸着させ、その泡を水中より取り除き水質浄化するのがこの装置です。使用環境は海水に限定されますが、水質向上に非常に効果的です。
執筆者
![](https://www.matsui-corp.co.jp/files/upload/shibahara.jpg)
芝原 英行
東京海洋大学院卒。学生時代はウナギの完全養殖の研究に従事。
(株)マツイ入社後、2年目におさかなマイスターを取得。称号の重圧に日々プレッシャーを感じている。
カキ、サバ、ウナギ、マグロ、チョウザメ等、様々な魚介類の養殖設備・実験水槽等に携わり、趣味はダイビング・アクアリウムと魚漬けの日々を送っている。
おさかなマイスターって?
さかなをおいしく、賢く食べるために、さかなの魅力を伝えるために魚介類の旬、栄養、産地、漁法、調理、取扱方法などを学びさかなの魅力や素晴らしさを伝える「さかなの伝道師」です*。
弊社(株式会社マツイ)には「おさかなマイスター」の有資格者が在籍しております。当ページでは有資格者の監修の元、養殖にまつわる専門知識をお伝えしていきます。
*引用:日本おさかなマイスター協会Webサイト